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トランペッター改造 1/48 EKA-3B スカイウォーリア

依頼品製作中でMiG-31は2月半ばまでいじれないため、過去作のご紹介です。

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トランペッター1/48改造のダグラスEKA-3Bスカイウォーリア、所属している模型クラブ横浜SUNDOWNERSの2015年テーマ「ベトナム」に合わせて製作しました。

EKA-3Bのキット自体は2015年12月に発売されましたが、この作品は2014年に着工、A3D-2とKA-3Bをニコイチにしています。
何でそんなまわりくどいことをするのか、という理由は後述。

NAVYファン(私の場合はダグラスファン)にとって、スカイウォーリアはコレクションに欠かせない機体でしょう。私も10年前の時点で「コレクトエアのレジンキットが欲しい」と宣っていただけあり、トランペッターのキットが出たときは小躍りしたものです。
A3D-2の後にバリエーション第1弾としてKA-3Bが発売されましたが、説明図を見るとEKA-3B用のバルジやアンテナ付垂直尾翼が入っている上、付属デカールもKA/EKAを混成で運用していたVAQ-132。これはEKAに改造して誰とも被らない作品を作れといっているようなもの…ということでそそくさと着工した次第です。

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資料は非常に少ない機種なので、用意できたのは新旧世傑および製作中に発売されたOspreyの「 A-3 Skywarrior Units of the Vietnam War」。
WebではTailhook topicsのサイトがよく纏まっている…というかバリエーションおよび細部の考証としてはほぼ完璧です。
http://tailspintopics.blogspot.jp/2010/09/mighty-skywarrior.html
今回の製作でも、模型として工作できる範囲で最大限参考にしました。


さてトラペのキットですが…はっきり言ってこれは「スカイウォーリアらしきなにか」という物体でしょう。(今時ボーイングのライセンス表示がない時点でお察しといったところ)
キャノピー、エンジンポッドといった特徴を演出する部分がデタラメで第一印象が悪いばかりか、基本的なバリエーションの違いすら理解されていません。今回の作品ではできる限り修正を試みて、それらしく見えるように努めています。

スカイウォーリアのバリエーションなどどれだけの人が気にするかは分かりませんが、基本的には2種類の胴体、2種類の主翼を組み合わせた計4種のエアフレームが存在しました。

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基本型となるのが乗員3名の「攻撃型」で、A-3A/Bおよびその改造機のKA-3B、EKA-3Bが該当します。与圧区画はキャノピー周辺のみで、その後部に燃料タンク、ウェポンベイと続く構造を持ちます。

ERA-3B Friddell web
前部胴体を改設計したのがEA-3BやRA-3Bなどの「派生型」で、攻撃型では前部燃料タンクだった部分を与圧キャビンに改修、胴体右側面にも搭乗扉が追加され、計7人程度の搭乗員数となりました。押し出された燃料タンクはウェポンベイがあった部分に移設されており、給油プローブ付け根がこの位置まで後退しています。

比較
2種の特に顕著な違いがキャノピー前部であり、車で言うAピラー付近のフレームが変更されています。このあたりが、ハセガワがEKA-3Bまでしかバリエーション展開しなかった理由でしょう。(知ってか知らずか、最近になってキャノピーを変更せずにEA-3Bを出しましたが…)

主翼に関してはA3D-1の初期からBu No.142649までに採用された「標準翼」と142650以降の「CLE翼」の2種類があります。

スラット比較(コメント付き)
「標準翼」では前縁自動スラットがエンジンポッド外側に3枚存在し、最も内側の分割線のみ機軸と平行になっています。

一方の「CLE翼」とは「Cambered Leading Edge」の略で、その名の通りスラット前縁がキャンバーのついた形状に変更されています。これに伴い、主翼弦長も僅かに延びているようです。
また、エンジンポッドよりも内側にもスラットがひとつ増設、エンジンパイロンもフェアリングがついた形状になりました。標準翼では基軸に平行だったエンジンポッド外側のスラット、他と同じく主翼後退角に直行するような角度となっています。

その他CLE翼に付随する改修として、胴体燃料ベントの変更があります。
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当初は左水平尾翼下側にベントがありましたが、CLE翼装備機は左エアブレーキ後方により大型になって移設されています。
数々の改修が重ねられて生き延びたスカイウォーリアですが、標準翼がCLE翼使用に改造された例はないようです。

トランペッターのKA-3Bを見てみると、恐ろしいことにコクピット後方にキャビンがあり、キャノピーも「派生型」のものが付属しています(そもそも胴体側面の扉がないので派生型の胴体ですらない)。この時点でまともなモデルにはならないわけですが、主翼に関してもスラットが片側4枚あるにも関わらずエンジンパイロン形状が標準翼のものと、基本的な変遷を反映できていません。
方針は色々と考えましたが、結局A3D-2のキットを購入して胴体とキャノピーを調達、KA-3Bのノーズとテールレドーム、ECMフェアリングを組み合わせてEKA-3Bの外形を作ることとしました。幸いこの2キットまでは代理店が童友社になる前だったため、実売6000円程度で入手可能でした。

参考までにこれまで発売されたキットの基本的な組み合わせを整理してみると

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A3D-2 キャノピー、胴体とも攻撃型で正しい

ダウンロード
KA-3B キャノピー、胴体ともキットは派生型(胴体は扉が無い)。実機は攻撃型なので間違い

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EA-3B  キャノピーは派生型、胴体は攻撃型。実機は派生型なので間違い

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TA-3B 胴体およびキャビンは新金型で正確な派生型だがキャノピーは攻撃型。実機は派生型なので間違い
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EKA-3B キャノピーは攻撃型、胴体は派生型(胴体はKA-3Bと共通)。実機はもちろん攻撃型なので間違い

となっており、サブタイプとして正確なのは最初に出たA3D-2のみです。ERA-3Bも発売予定なので、せめて組合せくらいは正してほしいものです。


以上のように組み立てる以前からかなり萎えさせてくれるキットですが、コレクトエアやワークのレジン塊と格闘するより遥かに楽でしょうし、完成させた日本人など数人だろうということで割り切って着工しましょう。

今回製作するのはVAQ-132所属のEKA-3B NG616 145647号機で、標準翼をベースに改装された機体です。CVW-9の一員としてCV-66アメリカに搭載され1970年にベトナムでのコンバットクルーズに出撃、日本にも飛来しているため複数の写真が残されています。
800px-EKA-3B_VAQ-132_USS_America_(CV-66)_1969.jpeg

特徴的なのは胴体側面のストライプと、尾翼のBuNo がグレーで標記されていることでしょうか。BuNoについては旧世傑で「退色した」と解説されていますが、退色にしては色見が均一すぎること、同時期の綺麗な機体でもグレーになっている例が散見されることから、元々このような色だったと解釈しています。

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まずはコクピット。A-3は「副操縦士は主操縦士が死亡もしくはそれに近い状態になら無い限り不要」というA-26インベーダー以来のダグラスの方針に乗っ取り、パイロット席は左前方のみ。右前方は攻撃型の場合計器版がなく、機器類が林立しているのですが、キットでは再現されていません。後ろ向きに設置される銃座(機銃が撤去されてからは航法、ECM担当)廻りの機器もイマイチ似ていないのですが、資料がほとんど無いこともあり一部の構造材、サーキットブレーカーを再現するに留めています。
パイロット席のヘッドレストは背中合わせの後席から生えているのも特徴なので、そのくらいは工作しておきました。

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主翼は標準翼にするため、エンジンパイロン内側のスラットを固定します。ここは非常に合わせが悪く、プラ板で枠組みした後に容赦なく削り込みました。翼断面形状も遷音速機とは思えないほどダルイので、少しでも先端が尖るように削っています。
主翼は格納状態が標準となるように切り欠きがありますが、今回は展開させたかったためプラ板で埋めています。内外翼の合わせはイマイチなので、きれいに整形してから分割線を堀直した方がいいでしょう。

P1010030.jpg
前述の通りパイロン外側のスラットは、分割線が機軸と平行になるよう修正。

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エンジンポッド形状は絶望的。実機は突出した補器類を避けるために下面側が膨れた形状が魅力ですが、キットでは見事な紡錘形になっています。正面形も実機は「逆さタマゴ」ですが、キットは真円。ここは修正方法が思いつかなかったので、無塗装部のリベットとブリードエア排出口をプラパイプで再現しただけで逃げてしまいました。

thumbnail (1)
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最近になってHypersonic Modelから修正キットが出たので、これから作られる方(いるかどうか知りませんが)は是非入手してみることをお勧めします。正確な形状のエンジンポッド、CLEウイング用のフェアリングがついたパイロン、正確なフラップダウン用のヒンジと、大変価値の高いセットになっています。
http://www.hypersonicmodels.co.uk/product/a-3-skywarrior-engines

ダウンロード (1)
もう一つの絶望的なポイントがキャノピー。申し訳ありませんがホビーショーでの完成品を見た時点で「なんじゃこりゃ」という印象を持たざるを得ませんでした。

主な原因は、本来水平になるべき前部フレームが「つり目」状になっていること、前面ガラス部が上下に広すぎること、本来は直線的な左右前方フレーム(車で言うAピラーあたり)が湾曲している点にあります。キャノピーの形状も2ミリほど高さが過剰なようです。

キャノピー
また、A3D-2に付属するキャノピーは極初期の仕様を再現しているため、後部のガラス部は左右とも広く、右側には天測窓が設置されています。

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後部銃座がDECMフェアリングに変わって以降は左後方の透明部分は2分割され、天測用のドーム状フェアリングが新設されました。(右側天測窓は撤去)
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今回は見た目の改善とバリエーションの再現のため、キャノピー全体をサンディングして枠のモールドを除去、筋彫りして再生しています。天測用のドームフェアリングは0.4mmの透明プラ板を絞ったものを埋め込んでいます。

トランペッターのキャノピーは枠のバリエーションが数種類ありますが、いずれも前方フレームの形状が酷く、そのまま使う気にはなれません。こちらもHyperSonic Modelでバキュームフォームの修正パーツが開発中のようなので、待つのが正解かもしれません。
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